ある地方の大名、赤井御門守は一年ぶりの帰国だったが、家臣一同は御門守が連れて来たふーてんのお紺を見て仰天した。御門守はお紺の父が博奕でスッた時、彼女をセリ落したのである。御門守は、家老の三太夫の意見にも、正妻の由良の方の嫉妬にもまるで無関心。やがて御門守は家臣たちを集め、江戸で覚えた“丁・半勝負”を始めた。壺振りは勿論お紺である。そしてお紺の立膝スタイルに幻惑された家臣たちはどんどん負けていった。御門守のお紺に対する熱の入れ方は日に日に激しくなっていった。ところがある日、お紺が目を覚ますと御門守が何者かに殺されていた。当然、お紺が取調べを受け、男関係を白状させられた。家老の三太夫、小姓の金弥、医者の道庵の名が挙げられたが全員が無実と判明。そんなある日、お紺の傍へ忍び寄った男を三太夫が掴まえた。その男は東郷力丸といって、由良の方の密通の相手であったが、...
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