白坂譲次は射撃の腕自慢で、全国の射撃場に乗りこんでは賭でしこたま儲けていた。そんな彼が珍らしく見知らぬ男に負けてしまった。その男は警察手帖を持っていた。その夜、新宿の酒場で飲んでいた譲次の隣りに、赤ん坊を抱いた男が座った。やがて男は譲次に赤ん坊をたのみ外に出た。赤ん坊に泣かれて困った譲次が、男を追って外に出るとガードの方で銃声がした。藤次が駆けつけた時にはすでに男は虫の息だった。譲次は、酒場の主人の証言で殺人犯人の汚名をきた。その上犯人の拳銃はJ1号で、これは彼が戦時中手製で作ったものと同じだった。同時に当局ではJ1号が都内で大量に生産されているという情報に動いていた。一方、何も知らない譲次は赤ん坊に同情し、父親を殺した奴を探し出そうとけんめいだった。譲次は苦心の末、殺された男が、玩具のガン屋で黒木だということをつきとめた。殺した男は殺し屋緒方であっ...
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