戦国時代。忍者の国伊賀の里では、百地三太夫を頭とする百池党と、藤村長門を首領とする藤林組とが勢力を争っていた。伊賀には下忍養成所があり、他国から幼い子供をさらってきては、次次に一人前の忍者を養成、補充していた。爺いと一緒に百地党に入ったワタリ少年もその一人で、その天才的な術は、三太夫や大頭音羽の城戸を驚かした。ある日ワタリは、同じ少年の忍者で心の優しいカズラと知りあい、二人の間には強い友情の絆が結ばれた。カズラにはツユキという美しい姉がいて、彼女は恋人新次郎と夫婦になるためには、五月雨城主を殺さねばならぬ掟を背負っていた。しかしながら、五月雨城は武田勢の強力な忍者、伊賀崎六人衆に守られ、難攻不落、二人のかなう相手ではなかった。小次郎は危く爺いに助けられたが、ツユキは宙吊りにされて死んでいった。姉の復讐に燃えたカズラは、ワタリと共に五月雨城に忍びこんだ...
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