昭和初期、上海で知りあったお万と、竜二は日本へ帰って来た。風の便りではお万の母おりんが日本にいるというのである。二人は横浜の長屋に住み、仕事が終り次第、母を探し出すという竜二の言葉に、お万は身も心も捧げていた。だが、竜二は、バクチで負けお万を遊廓に売ってしまった。そんな時お万に好意を持っている政吉が上海から戻り、大金を賭場から盗み出しお万を身請けした。だが政吉は組の者に殺されてしまった。お万は壺振りの修行をした。賭場を渡り歩いている竜二を探しだす為である。長崎の料亭で壺を振っていた、ある日、料亭の女将がお万の母おりんである事を知ったが、賭博師である自分を恥、名乗り出ることができなかった。ところが、おりんの娘お菊(即ちお万の義妹にあたるのだが)が捜していた竜二と駈け落ちするという。お万は、旅館で絡み合っている竜二とお菊の部屋に入り竜二をドスでつき刺した...
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