ある狸の国の話。--まちの料亭「ポン」に黒太郎という美青年が現れ、「ポン」の給仕となる。黒太郎は唄も踊りも上手でたちまち人気者となる。この国の女王は美しかったが笑ったことがなく、女王に微笑させたものは望みのものをあたえるというおふれが出ていた。その女王がある日まちにおでましになって「ポン」に休憩し、黒太郎のあやまちで、女王の飲物に花びらを落としたので、黒太郎は御殿に引かれる。そのころ御殿の左大臣は森の魔女愛々と結託して御殿を乗っ取ろうとしている。実は左大臣は愛々の魔力を利用して主となり、女王をわがものにしたいと企んでいたのだ。さて黒太郎は御殿で裁かれることになったが女王は黒太郎に恋を感じ、じっと黒太郎をみつめ、微笑む。女王は微笑した。たちまち国はお祝いの騒ぎ、黒太郎は御殿の給仕掛かりとなる。ところが左大臣は面白くなく権力で黒太郎を追い出してしまう。黒太郎はもとの「ポン」に帰り女王は黒太郎恋しさのために嘆く。左大臣はこの機会に女王の王冠を手に入れて、いよいよ御殿のっとりを実現しようとする。女王の王冠には不思議な力があって愛々の魔力も及ばないのだ。左大臣は黒太郎に恋をした王女をせめ、「王冠が大事か、黒太郎が大事か」とせまる。女王は「恋のためには王冠はいらぬ」と王冠を投げ捨てる。左大臣は得たりとばかり王冠を奪い愛々をよびその魔力で女王を牢におしこめる。そのころ「ポン」にいた黒太郎は胸騒ぎがして御殿にかけつけるが女王は牢におしこめられ、そのカギは愛々が持っている。黒太郎は女王を救うために愛々に近付き、心にもなく愛々の恋のワナに入ってカギをとりもどし、牢にかけつけ、危うく左大臣の手ごめに合わんとする女王を救い、左大臣を刺す。黒太郎は実は隣国の王子であった。--今まちに平和な歌声が流れて、御殿では王子黒太郎と女王の結婚式が行われていた。
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