南国土佐のある幼稚園。腕白坊や奥村太郎には母ははや亡く、祖父、祖母とともに多人数の叔父の家にすんでいた。だが、太郎にはそんな孤独の心を慰めてくれる宝物があった。それはいまは出稼ぎに出ている父と旅した大阪の楽しい思い出が秘められた奇妙なスケッチ・ブックであった。ある日、園児の一人健一が万博土産をみせびらかし、クラスの人気を独占した。それは、太郎の胸に、父への思慕をつのらせ、大阪行きを決心させた。五才の子供の一大冒険が始まった。何回かの脱出失敗を重ねたあげく、太郎はついに脱出に成功した。スケッチ・ブックの奇妙な絵は太郎だけの道しるべになっていた。それは父と行った大阪への道々が小さい心に強烈な印象として焼ついていたのだ。そのころ、太郎の失踪を知った奥村家は大騒動、おじいちゃんとおばあちゃんが太郎の後を追った。一方、太郎はトラックの荷台によじのぼったり、団体...
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