2012年冬季 テレビ朝日 日剧SP 息を切らし、警察犬の力を借りてようやく犯人を逮捕した竹内警部補(渡瀬恒彦)は、突然かつてSPとして警護を担当した国会議員のキリ子(高畑淳子)から声をかけられた。 「そろそろ卒業したら?犯人とかけっこするの」。 得意の嫌味を受け流して署に戻ろうとする竹内だったが、キリ子は強引に自分の車に乗せると人気若手バイオリニスト・華子(上原多香子)の警備をしてほしいと依頼…、いや、命令する。幼いころから欧州でレッスンを受け、国際的なコンクールで数々の賞を受賞。一躍有名バイオリニストとなった華子だが、今回日本で凱旋ツアーを行うことになった。 その華子はバイオリニストであると同時に、数年前から軍事独裁政権の国の民主化を支援。政治的な発言を繰り返していることから、同国の軍事政権から命を狙われているらしい。 華子の母親・小夜子(かたせ梨乃)と親しいキリ子は、凱旋ツアー中の警備を信頼する竹内に担当させようと画策。最初は断った竹内だが、爆弾が仕掛けられたと騒然とするコンサート会場に連れてこられると、かつてのSP魂が蘇ってしまい積極的に捜索を開始。警護課課長の長岡(平泉成)にも頭を下げられ、結局、竹内は警護を引き受けることになる。 爆弾騒ぎの翌日から若い栗本(松田悟志)、ユリ(知念里奈)と3人で華子の警護を担当することになった竹内。爆弾騒ぎの犯人も独裁政権の仕業と決めつける華子を、あわてて諌める小夜子。どうやら華子はかなり気丈な性格らしい。 華子の周囲には、ステージママと揶揄される母親の小夜子、その小夜子の元夫でさえないイベント会社を経営する大谷(片桐竜次)、華子のレッスンを担当してきた音大教授の植木(堀内正美)らの姿が。会社の窮状を見かねた小夜子から今回のツアーのプロモートを任された大谷だったが、少しでも小夜子から金をむしり取ろうとしている。小夜子に愛情に近い感情を抱く植木は、そんな大谷を嫌悪しているが、その植木も愛弟子であるはずの華子の信頼を得られていないようだ。 そんな折、大谷の他殺体が東京にある自らのオフィスで発見された。捜査を担当する磯貝(杉本哲太)は現場で独裁政権国家の国旗のピンバッチを発見する。華子への脅迫と関係があるのだろうか。 一方、神戸のコンサート会場の楽屋に脅迫状が舞い込んだ。やはり独裁政権国家の国旗が描かれており、何者かが忍び込み置いていったらしい。過激派の侵入を許した竹内らSPを悪しざまに非難する植木。そんな騒ぎにも華子は「コンサートは中止しない」と毅然と言い放つ。 神戸でのコンサートを終え、磯貝と合流した竹内は、大谷殺害事件についての情報を聞く。やはり独裁政権国家が関係しているようだが、磯貝は犯人はもっと身近にいると考えているらしい。 一方、竹内の元部下のSP川端(的場浩司)が警備を担当する財津外務大臣(榎木孝明)は、定例会見で独裁政権国家を擁護するコメントを繰り返す。そんなTVニュースを京都のホテルで見て怒りをあらわにする華子。その後、竹内らに守られ、コンサート会場入りするが、なぜか植木はかつて画商として政治家と関係していたころの小夜子について暴露した記事を華子に見せる。その記事の中には、代議士時代の財津の名前も…。 明らかに動揺した華子は、その夜のコンサートで珍しくミスを犯すと、竹内らの目を欺き姿を消してしまう。初めて来た京都で、どこへ行ってしまったのか。竹内らは懸命に捜索を開始するが…。 やがて意外な場所で発見される華子。彼女がそこを訪れた理由とは?母・小夜子の過去から暴かれる華子の秘密とは?そして、再び発生する殺人事件。被害者は?恐るべき犯人の正体は?
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