映画「イエスタデイズ」(窪田崇監督)が描くテーマの一つは、誰もが人生の中で迫られる“決断”だ。音大に通いピアニストを目指すヒロイン、澪を演じた原田夏希は言う。「澪は若いが決断力ある凛(りん)とした女神のような存在。私に演じられるか心配でした」。が、「彼女も弱さを克服し、強くなっていったはず」。そう信じて演じ切った原田の自然体の演技が感動を呼ぶ。(戸津井康之) 《聡史(塚本高史)は長年会っていない父(國村隼)の病室を訪れる。ガンで余命わずかの父は聡史に「30年前に付き合っていた女性を探し出してほしい」と依頼する。聡史がかつて女性の暮らしていたアパートを訪れると部屋には澪(原田)という若い女性がいた…》 原田は脚本を渡されて驚いた。「どこかで読んだストーリーだ、と思ったら、原作を1年半ほど前に読んでいたんです」と明かす。原作は作家、本多孝好さんの小説「FINE DAYS」の中に収録されている短編の一本。「まさか自分が選んだ大好きな小説のヒロインを自分が演じることになるなんて」。原田は無類の読書好きだが、「なかなかできない経験でしょ。女優という仕事はやっぱり面白い」と朗らかに笑った。 澪はピアニストを目指す音大生。演奏シーンは多いが、彼女は吹き替えなしで撮影をこなした。「幼いころからピアノを続けてきて本当に良かった」と笑う。 高校1年の時に女優としてデビューするが、「勉学を最後まで続ける」という両親との約束を果たし、静岡県内の高校を卒業後、東京の大学に進学する。2年の時、NHKの朝の連続テレビ小説「わかば」のヒロインに抜擢(ばってき)され、1年近く大阪で過ごさなければならず、女優業との両立が危ぶまれた。しかし、持ち前の負けん気と両親との約束を果たしたいという責任感から、滞在先のホテルで毎夜リポートを書き続け、無事に4年で卒業した
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