日本映画界の巨匠・新藤兼人監督の戦争体験を、証言と脚本という異色の構成で巧みにあぶり出したドキュメンタリードラマ。大竹しのぶが語りを担当し、新藤作品の助監督を務めてきた山本保博が監督を担当。 昭和19年、1944年春。第二次世界大戦の戦況が連合国に有利に運ぶ中、シナリオライターであった新藤兼人に召集令状が届く。広島県の呉海兵団に二等水兵として入隊し た新藤は、同年6月に宝塚海軍航空隊に配属される。同じように招集されたのは、農家、洋服屋、八百屋、理容師など仕事と家庭を持ち、一家の大黒柱として家を支える30代の男たちばかりであった。毎日のように同僚が次々と戦場に送られていく。30歳を超えた招集同期の100人で、生き残ったのは新藤を含むたった6人しかいなかった。新藤が配属された宝塚海軍航空隊では、もはや訓練をするような船は残っておらず、宝塚大劇場を接収した...
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