ひと夏を海で過すため、牧蘭子は友人と房州の別荘に行った。彼女は東西貿易社長牧浩太郎の娘で、友人グループの女王様的存在だった。ヨットで海に出た蘭子は、ピストルで負傷した栗谷剛一という青年に会った。彼は新聞記者志望の大学生で、東京に戻る途中何者かに襲われたという。治療のため別荘に留まることになった。剛一には恋人の杏子がいると知りながら彼に惹かれた蘭子は積極的に近づき、泳ぎに行った岩礁の砂浜で熱い抱擁を交わした。 数日後、新聞に殺人事件の被害者写真として剛一の写真が載っていた。名前は新宿の水野組幹部・加東勇二となっていた。剛一は間違って狙われていたのだ。人違いをした犯人は剛一が死んだと思っているのだ。瓜二つの男は何者なのか?追求しようと東京に向った。剛一は杏子の兄で毎朝新聞社会部記者の殿村に協力を頼み、水野組の根城キャバレー「サブリナ」に勇二になりすまして...
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