「亡霊に殺されそうだから助けてほしい」 親友・青山由美の知らせを聞き、婦警・仁木恭子は青磯海岸の海女部落へ向かった。 由美は荒れた屋敷に婆やと、近海の漁場調査と称して青山家に身を寄せている海洋大学教授・水木、その助手・日比野とともに住んでいた。青山家は青磯きっての資産家だったが、父の自殺、母の狂死、姉の家出、兄の遭難、兄嫁の変死と不幸が続いていた。そして今は、兄嫁・ワカの亡霊に襲われ悩まされているという。また、行方不明の姉も探してほしいと頼まれ、恭子は恋人・野々宮刑事に調査を依頼した。 江戸川で起こった殺人事件の被害者の胃の中から、黒真珠が発見された。野々宮はそれが青山家のものと同じであることを確認。また、被害者の部屋から出てきた木村という名刺の男が、水木と酷似していることに気付く。 青山家には財宝があり、それは昔、地震で地底に埋もれた当家の墓に眠っている。水木はそれを探すために、青山家の漁場で働く海女・加代と深い仲になり、彼女を海底に潜らせていた。加代は変死したワカの妹で、青山家に恨みを持っているらしいということがわかる。青磯海岸の新興ボス伊丹たちも、水木に手なずけられていた。さらに亡霊も彼の命令で婆やが扮していたのだ。また、行方不明になっていた由美の姉が、財宝の話を聞きだそうとしていた水木に脅され、殺されていたことも判明する。 次々と真相が明らかになり、追い込まれた水木と共犯者たちは、恭子と由美を捕らえた。一味は財宝のありかを知っている由美に案内させて、ついに黒真珠を引き上げることに成功した。 ところがそれをめぐって、水木と伊丹が仲間割れを始めた。そのすきを見計らい、恭子は銃を持った日比野に体当たりした。 発射された弾丸は加代をつらぬいた。一瞬の静寂の後、野々宮が誘導する警備船が近づいてきた。
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