昭和初年のある春。折からの大不況にあぶれた鉱夫、農夫、労働者上りの雑夫たちを乗せた蟹工船博光丸は、ベーリング海の漁場めざして函館港を後にした。連日吹きすさぶ嵐に船酔いし、不潔な生活から続出する病人たちに、蟹工船の浅こと監督の浅川を中心とする幹部らはむりやり作業を強制する。浅川の冷酷さはSOSを打ちつづける僚船をも漁場に急ぐため無視し、カムサッカの漁場では突風警報をおかして川崎船を操業させ、多数の遭難者を出した。連日の酷使についに倒れた「学生上り」は偽病人としてボイラーに縛りあげられ、反抗した雑夫平太は撲殺された。低下の一途を辿る生産高にあせったた浅川は、拳銃で漁夫らの反抗をおさえ、ソ連領海への侵入を企てる。その上、過労で病死した青年の体を、すげなくつめたい海に沈めた無情さに、漸く怒り心頭に発した漁夫たちは、ついに就業を拒んだ。代表たちは監督に要求書を...
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