太平洋戦争では、日本軍の戦いをもう一つの戦いが支えていた。ラジオ放送による「電波戦」。ナチスのプロパガンダ戦に倣い「声の力」で戦意高揚・国威発揚を図り、偽情報で敵を混乱させた。行ったのは日本放送協会とそのアナウンサーたち。戦時中の彼らの活動を、事実を元にドラマ化して放送と戦争の深い関わりを描く。 国民にとって戦争はラジオの開戦ニュースで始まり玉音放送で終わった。両方に関わったのが天才と呼ばれた和田信賢アナと新進気鋭の館野守男アナ。二人は大本営発表の勝利を力強く伝え国民を熱狂させた。同僚アナも南方占領地に開設した放送局に次々と赴任し、現地の日本化を進めた。やがて戦況が悪化すると、大本営発表を疑問視する和田と「国家の宣伝者」を自認する館野は伝え方をめぐって激しく衝突。出陣学徒を勇ましく送り出す実況を任され、ただ苦悩する和田を妻・実枝子が叱咤しったし目覚め...
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