ドスで消そうか紅蓮の炎!高倉・鶴田が江戸名残りの侠気を競う、東映随一人気シリーズ第4弾!神田祭りを背景に、神田鳶の高倉と関西の渡世人・鶴田が、大店の利権を略奪しようとする阿漕なやくざ一家と対決する祭りと喧嘩の雄壮篇。殺陣とアクションの迫力に加え、男の意気と友情を江戸情緒の中で情感豊かに描いた傑作。 大正末期、伝統を誇った江戸火消しに新たな消防組織編制が行われた新春出初式の日、神田十一番組纏持ち新三は「沢せい」に挨拶に行くと、幼友達の伸夫が大貫組の賭場に入り浸っていると聞かされた。「沢せい」は東京で老舗を誇る呉服問屋の大店だが、七代目を継いだ伸夫は資金繰りを焦って賭博に手を出し隠居や女房を困らせていた。土地家屋の権利書を抵当に入れてまで大博打を打った伸夫は、イカサマ賭博に無一文になろうとしていたが、そこへ、新三が駆けつけイカサマを暴いて伸夫を救った。だがその夜、大貫は伸夫を殺害して放火をする。焼跡に「沢せい」の仮住居を建てたものの、その土地家屋は大貫の物になっていた。思い余った新三は大貫のイカサマ賭博を訴え、借財の無効を裁判で争おうと弁護士を雇うが、大貫はその弁護士を監禁して裁判から手を引かせる。あまりにも悪辣な大貫の遣り方に、大阪淀半一家の長次は追われる身を匿ってもらっている義理も捨てて新三に味方する。神田明神ご祭礼の日、長次は監禁されている番頭と弁護士を救い出し、伸夫を殺害し放火した実行犯の証文を弁護士に預ける。だが長次は大貫に射殺されてしまう。長次の死を知った新三は大貫とサシの勝負を決意し、鳶職人の免許書と火消し神田十一番組消防団員証を組長に返還する。決闘の場は「沢せい」の焼跡の工事現場だ。早暁の中で大貫を待つ新三の周りには鳶口を手にした十一番組の若い連中が集まってきた。「銀次っ、松っ、竹っ!」と驚く新三に「兄貴、おれ達に黙ってやるなんて、あんまりだぜ」とニッコリ笑う男たち。 出演は高倉健、鶴田浩二を中心に、大木実、里見浩太郎、藤山寛美、河津清三郎、長門裕之、山城新伍、天津敏、遠藤辰雄、山本麟一、内田朝雄らベテラン演技陣が脇を固め、藤純子、中原早苗、野際陽子など人気女優が華を添える豪華キャスト。名匠マキノ雅弘監督の迫力ある大立ち回りに、実らぬ恋とやくざの哀しい宿命を絡めて哀愁ムードを漂わせた名篇。 (昭和41年2月公開 東映京都作品)
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