内容紹介 日常、何気なく見下ろしている川。 東京と言う都市で生活して、地上の道路や地下の鉄路を使っていると、普段は川を意識することはほとんどないだろう。しかし、川は常にそこに存在し、絶えず流れ続けている。普通の生活ではまず入って行くことのない「川の世界」に一歩足を踏み入れて、水面の高さから都市を見上げると、見慣れたはずの風景が一変し、都市は違った横顔を見せ始める。 ゆっくりと川に侵入して行くと、都会の喧騒は背景へと遠ざかり、不思議な静寂に包まれる。たびたび潜り抜ける橋の数々は、あたかも異空間へのゲートをいくつも通り抜けているような錯覚さえ感じさせ、生活排水にまみれているはずの青黒い水面すら、神々しさを帯び、時折差し込む太陽を浴びて、きらめいている。 そこはまさに『異界』であった。 本作品は「普段見ることのない角度から見た都市・東京」をコンセプトに、都...